今までの冴华のものよりも鋭く速い突き。刹涡冲を受け流された直后の総太郎には、避ける余裕はない――
「……っ、おおおおぉぉぉっ!」
雄叫びを上げる。
この状况を打ち破る方法が総太郎の头に闪く。その瞬间、総太郎の体轴は左右逆に反転していた。
そして、左の掌底が冴华に向かって缲り出され――二人の腕が交错した!
ドスッ!
「が……がはっ……!」
冴华の拳が、総太郎の腹に深く突き刺さった。
梁瀬美耶が使ったものと同じ、鋭い二段突き。兎脚法の踏み込みから缲り出されたそれは、総太郎の左の突きよりも一瞬速く相手の体へと届いたのだ。
「おぐっ、うっ……」
必杀の一撃を缲り出していた総太郎は、前へと鋭く踏み込んでいた。そこにカウンターの形で冴华の技がクリーンヒットしたのだ。
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総太郎の体はがくりと前へ崩れ落ちる。立っているだけでギリギリの状态だ。冴华はそして、すかさず追い打ちをしてきた。
「はああぁっ!」
冴华の膝が総太郎のボディに突き刺さる!
ドスッッ!
「がはあああぁっ!」
突きを受けたばかりのところに再び强烈な一撃。それは、総太郎がかろうじて踏ん张っていた両足から力を夺うには充分すぎるものだった。
そして、畳の上へと膝から崩れ落ちた。
「あ……ぐ……」
视界がちらつく。総太郎は、下半身のみならず全身から力が抜けてゆくのを感じていた。
互いに全身全霊を込めた一撃を缲り出していたのは明白。それが自分にだけ当たってしまった时点で、総太郎の意识の中の理性的な部分はほぼ负けを悟っていた。ただでさえ、そこまでに受けたダメージも大きく、ギリギリで戦えていたような状态だったのだ。
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「そ、そんなっ……なぜ……」
见上げると、视界には片腕を支えるようにしながらやっとの状态で立っている冴华の姿があった。彼女も満身创痍だったことが分かる。
「はぁ、はぁ……どうやったのか知らないけど、体轴が反転してたように见えたわ。けど、そこから突きが缲り出されるのが一瞬遅かった……急な方向転换に、腕がついてこなかったのかもね」
息を乱しながらも、冷静な冴华の声。彼女は総太郎のそばまでゆっくり歩いてくると、少し膝を折りたそうな仕草をしたが、それでもしっかりと両足で立って総太郎を见下ろしてきた。
「まったく、最后まで手间をかけさせてくれたけど……最终的には、あたしの技が胜ったわね」
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