普通に考えれば、先ほど総太郎を圧倒したときの动きを冴华ができるというのなら、消耗した今の総太郎には胜ち目がないはずである。
だが、不思议と総太郎は负ける気がしなかった。
「せいっ!」
総太郎は构わず前に出て、気合とともに突きを放つ。だが冴华も本人の言の通り、万全の动きで総太郎の攻撃をさばこうとしてくる。
「ふっ!」
そして、その合间をぬって刚力法の乗った重い突きを返してくるのだ。
ガシッ!
「ぐっ……!」
肩口に反撃の突きを受けて、総太郎は顔をしかめる。
が、もはや构っていられない。総太郎は小さなモーションの斜打を打ちつつ、同时に冴华が连続で打ってきた突きを左腕でガード。
その次の瞬间には、右にステップしていた。その动きの无駄のなさに、冴华は目を见张る。
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さらに、そこからの総太郎の蹴りと冴华の突きが交错した直后、総太郎はもう次の技のモーションに入っていた。
「な、なんてスムーズな动き……こいつ、ここにきて动きが、违ってきてる……?」
冴华は総太郎のフットワークについてこられない。
今の総太郎は満身创痍なせいであるのか、最小の力の入れ方で最大の动きをしようと、体が自然と対応しているのかもしれない。ステップは恐ろしいほどに自然で、いつ脚を踏み出したのかが冴华にも见えていない様子であった。
「な、なに、この动きはっ! み、见えない!」
视力を强化しているかどうかは分からない。が、たとえその秘法を使っていたとしても、総太郎の动きを见切ることはできなかったであろう。见てから反応していては必ず遅れを取る、そういう动きを総太郎はしている。
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(この感覚――これが、柳影の极みなのかもしれない)
流れる水と化したかのように、総太郎は本能に従ってステップと打撃を缲り出してゆく。今まで体に染み込ませてきた型の动きが、理想的な形となって现れている。総太郎の胜利への执念が、そうした动きを引き出しているのだろう。
加えて――
「せいっ!」
冴华も総太郎の动きが一瞬止まったところに突きを合わせてくるが、総太郎はそれが缲り出される気配を察知して、それを受け流せる方向へと先にステップしている。结果、冴华の突きを左手で軽々と受け流しつつ、同时に、総太郎の突きが缲り出される。
「うっ!」
冴华はそれをなんとかガードするが、ガードしていては当然反撃には移れない。
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