「うりゃあっ!」
気合を入れ、矢継ぎ早に连打を放ってゆくが、冴华はただ逃げるだけだ。総太郎の间合いを嫌って横にステップしてゆく。
「逃がすかっ!」
この机を逃してはいけない、と総太郎は追いすがる。
さすがに冴华も兎脚法なしで逃げられはせず、総太郎は冴华を道场のコーナー付近へと追い込む。
「うっ……」
「追い诘めたぜ、冴华っ!」
さすがに冴华も余裕がなく、総太郎を油断なく见据えながら、どう切り抜けるか考えを巡らせているようだった。
総太郎はじりじりと间合いを诘めてから、ラッシュをかけにいく。
「せえぇいっ!」
気合とともに重い突きを连続で放つ。冴华はそれらをなんとかさばきつつも、追い诘められているためにフットワークで逃げることができず、あからさまにやりづらそうにしている。
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「こっ、こいつ、调子に乗って!」
「悪いが、ここで决めさせてもらうぜっ!」
総太郎は必死で前に出ながら、冴华の脚をローキックで痛めつける。ローキックという技はモーションが小さくカウンターを合わせにくい上、相手の戦闘能力を削ぐのに适している。こういう追い诘めたときには特に有効な攻撃だ。
もちろん、冴华はなにをしてくるか分からない。総太郎はあくまで慎重に、腕をはじめ防御はしっかり固めつつローキックを打ってゆく。
「あうっ! くっ……!」
冴华もガードしようと脚を上げるのだが、それでもローキックを受けるたび苦闷の表情を浮かべ、苦痛に喘ぐ。
フットワークを杀しておくことは重要だ。兎脚法を持つ冴华が相手となれば尚更である。
「うぅ……」
冴华が顔をしかめ、脚を震わせているのを见て、総太郎はようやく思い切った攻めに出る。
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まず、刹涡冲にいくと见せかけてから蹴りのフェイントを入れる。ローキックで打たれていた冴华は、それに反応して脚を上げてしまう。
その状态で素早く动けるはずもない。総太郎はすかさずスムーズな足运びから左の刹涡冲を放つ。
「はあぁっ!」
ガードされたとしても、冴华の体格ならば弾き飞ばせる。この位置ならば壁に叩きつけられて大きなダメージを负うはずだ。
胜负どころと见て、思い切って决め技を缲り出しにゆく総太郎。
だが、冴华はふいに体を沈み込ませる。
「うっ!?」
刹涡冲の轨道が読めているとしか思えない动きだ。総太郎の拳が打ち抜く线上から体をずらしながら沈み込み、そこからなにか技を出そうとしているのが分かる。
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