そこからは泥仕合気味になってゆく。互いに早く相手を倒したいという意识が强く、ガードなどの受けの行动が弱くなる。
総太郎の蹴りが冴华の太ももを打ち、同时に冴华の拳が総太郎の胸板を打つ。
「がっ!」
「あうっ!」
二人同时によろめくが、どちらも倒れはしない。完全に互角の展开だが、総太郎は危机感を覚えていた。
(くそっ、あまりクリーンヒットをもらうのはまずい、今の冴华の拳は重い! せっかく接近戦やってるんだ、こうなったら乱戦に乗じて秘法封じを狙うかっ!)
冴华がふいに钩突きを放ってくる。それに合わせて抜手を出そうとする総太郎だが――寸前で思いとどまる。
(いや、ダメだ!)
もう秘法封じは当たらないと思っていいだろう。狙いに行けば手ひどいカウンターを食らうことは间违いない。
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にわか仕込みの新技は得意技よりも打つときに余裕が必要だ。それが今や见出だせない以上、结局、もはや真っ向胜负をするしかないと総太郎は结论を得る。
(いいだろう、分かりやすくていい。秘法込みのあいつの力を、正面から破ってみせる)
秘法も含めて冴华の力なのだ。総太郎は今こそ、正面から打ち破るつもりでいた。
打撃戦が続き、互いにもつれたタイミングで、どちらからともなく互いの手を握り合って力比べの展开となる。
「ぐうううぅっ……!」
「あああああぁっ!」
二人とも手に力を込めて相手を押し倒そうとするが、互いの力は互角で、二人の腕は动かない。
が、次第に冴华の表情が辛そうに変化してゆき、汗もぽたぽたと頬から垂れてくる。
「かはっ!」
冴华はついに耐えかねたように総太郎に蹴りを打ち、手を离してバックステップする。
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総太郎は违和感を覚えながらも、追撃に移る。
(これは、まさか……)
试合は长引いている。しかも、冴华は前回と违い、途中から全开で秘法を使ってきている。
秘法封じが入ったときから展开は互角となり、冴华が无理をしなければならない场面も増えていた。
(限界が来たのか?)
だとすれば、ここは决めるチャンスだ。秘法を込みで倒そうという覚悟を决めてはいたが、别の要因で秘法が使えなくなったとなれば、それはそれでペースを掴むことができるかもしれないのだから都合はいいに决まっている。
回复される前に诘めねばなるまい。そう思い、総太郎は前に出て圧力をかける。
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