冴华が知らない技を出すことは确かに有効だ。仓桥のアドバイスは正しい。明らかに冴华の対応力が働いていないのが分かる。
が、これでトドメをさせるかというと、それも难しい。冴华の知らない技を缲り出すにしろ、そういうものは総太郎も充分な形で习得できているわけもなく、にわか仕込みの技ではフィニッシュブローにはなりえない。
やはり、最も得意とする技で决めなければ、冴华に胜つことは不可能だと総太郎は思った。
(まだいくつか使えそうな技はあるが、あくまで补助で使うべきだ。さて、あとどれくらいチャンスがあるだろうか)
间を置かず、総太郎は踏み込む。
が、放った突きは冴华に軽々と受け止められてしまった。
「あ、使える……?」
どうやら秘法封じは解けたようだ。
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(もう终わりか。さて、また秘法封じを打ち込むことができるか?)
それができるかは微妙なところだが、决めることができれば有利にやれることは确认できた。それだけでも収穫は充分だ。
秘法の复活した冴华との攻防は互角で、いったん距离を取ると冴华はため息をついて汗を腕でぬぐった。どうやら秘法が使えるようになったことで、心の落ち着きを取り戻したようだ。
そして、冷静になってしまえば、冴华は的确な分析をしてくる。
「ふうっ。なるほど、どうやらあなたが秘法を封じてきたのね。さっき、一瞬だけ脇腹に钝い痛みがあったから、あれはツボを打たれていたってことかな」
総太郎はさすがに惊く。
黙っていると、冴华は表情も変えずに続けてきた。
「黙っているのがなによりの証拠ね。古武术らしいやり方だと思うけど、そんなものを奥の手に隠し持っていたなんて、あたしも油断したわ」
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「……よく、分かったな」
「そういう技法があるということは知っていたから、思い返してみたら、なにをされたのか理解できたの。しっかし、秘法を封じる技を研究してくるなんてセンパイもやるじゃん」
冴华はさすがに知识が豊富だ。総太郎がやったことは、あっさり看破されてしまった。
ツボのポイントも悟られたということは、おそらくもう打ち込むことは困难であろう。通常ならば打つのが难しい位置のツボなのだから。
(まあいい、秘法封じは充分に役立ってくれた。冴华の动きも钝っているし、あとは俺自身の力で胜つしかない)
圧倒的な不利な状况は脱することができた。あとは胜つことだ。
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